「高度専門職」ビザとは?【概要:メリットとデメリットは?】

「高度専門職」ビザとは?

はじめに

高度専門職ビザとはどんなビザか?

ここでは外国人を雇いたい企業の方や、日本で働きたい外国人の方に向けて、高度専門職ビザの全体像をわかりやすく解説します。

専門的すぎる細かい点には触れずに大まかにざっくりと、高度専門職ビザとはどんなビザなのか全体像を把握できるようにわかりやすく説明します 。

「ビザ」という言葉は一般的に使われている言葉で、正確には「在留資格」というものになりますが、分かりやすくするためにここでは「在留資格」を「ビザ」と呼ぶことにします。
ほかにもここではわかりやすくするために難しい言葉を簡単な言葉にしているところがあります。そのため厳密には異なる場合もありますのでご了承ください。

高度専門職ビザとは?

高度専門職ビザは、高度人材向けの優遇されたビザです。
日本で働く高度人材を対象に、通常の在留資格(「技術・人文知識・国際業務」など)よりも優遇措置が多い 「上位版」のようなビザです。

たとえば、現在「技術・人文知識・国際業務」のビザで働いている方が、年収や学歴・職歴などで一定の条件を満たすと、「高度専門職1号ロ」というビザに切り替えることができます。仕事内容が変わらなくても、高度専門職ビザに変更することで、さまざまな優遇措置を受けられるのが大きな特徴です。

「一定の条件」は「高度人材ポイント」というポイント制度による評価が必要になりその点数を持って判断します。
来日する時点でポイント要件を満たしていれば、最初から高度専門職ビザ1号をとることも可能です。

※高度人材ポイント制度とは、年収・学歴・職歴などに点数がつく評価制度です。

高度専門職ビザの分類と種類

高度専門職ビザは大きく分けると、高度専門職1号と高度専門職2号に分けられます。

高度専門職2号はいきなりとることはできず、1号を取得した後に条件をクリアした人のみが変更できる仕組みになっています。

高度専門職1号ビザとは

高度専門職1号ビザは活動内容に応じて、更に高度専門職1号イ、高度専門職1号ロ、高度専門職1号ハの3つに分けられます。

  • 高度専門職1号イ:大学や研究機関などで研究をする人向け(「教授」「研究」ビザなどの上位版)
  • 高度専門職1号ロ:企業などで働く人向け(「技術・人文知識・国際業務」ビザなどの上位版)
  • 高度専門職1号ハ:会社の経営に関わる人向け(「経営・管理」ビザなどの上位版)

高度専門職1号ロでは、技術・人文知識・国際業務のうち、国際業務は認められておりません。なお、学歴によって語学関連の業務を行う場合は国際業務ではなく、技術・人文知識分野での扱いとなります。

高度専門職1号の優遇措置

① 複数の活動ができる
② 在留期間が5年になる
③ 永住が最短1年で可能に
④ 配偶者の就労が柔軟に
⑤ 親を呼ぶことができる
⑥ 家事使用人を雇うことができる
⑦ 入管の手続きが優先的に処理される

①複数の活動ができる
ビザを許可されている活動に関連する事業の経営が認められます。例えばITエンジニアの方が、IT関連の会社の経営を同時に行うことができます。

②在留期間が5年になる
在留期間が一律「5年」の付与になります。

③永住が最短1年で可能に
永住許可申請が80点以上の方は1年で、70点以上の方は3年経過後にできるようになります。(通常は10年)

④配偶者の就労が柔軟に
一定の条件はありますが配偶者の就労が学歴職歴要件を満たさなくても許可されるようになります。

⑤親を呼ぶことができる(条件あり)
一定の条件はありますが親を日本に連れてこれるようになります。

⑥家事使用人を雇うことができる(条件あり)
一定の条件はありますが家事使用人を雇うことができるようになります。

⑦入管の手続きが優先的に処理される
優先的に早期処理が行われるとしていますが、現実的には地方出入国在留管理官署の混雑具合によります。

高度専門職2号ビザとは

高度専門職2号ビザは、1号を取得したあとに変更できるビザです。
高度専門職2号は1号と違って1種類のみです。

高度専門職2号の優遇措置

① さらに複数の活動ができる
② 在留期間が「無期限」になる
③ 永住が最短「1年」で可能に

① さらに複数の活動ができる
高度専門職1号の優遇措置の「関連した事業の経営」に限らず、就労系ビザのほとんどの活動を併せて行うことが認められます。

② 在留期間が「無期限」になる
在留期間が一律「無期限」となります。

③ 永住が最短「1年」で可能に
永住許可申請が1年経過後にできるようになります。

1号の優遇措置、配偶者の就労、親の帯同、家事使用人の雇用は2号でも引き続き優遇されます。

高度専門職ビザのデメリットとは

高度専門職1号は、転職するときにビザの変更申請(在留資格変更許可申請)をしないといけません。高度専門職1号ビザは、許可を受けた会社でしか働くことができないので、転職するたびに再度ビザ申請が必要になります。

技術・人文知識・国際業務ビザなどは転職しても、業務内容が、技術・人文知識・国際業務ビザの範疇に収まっていれば申請の必要はありませんので、手間がかかるという点でデメリットといえるかもしれません。

また、高度専門職2号では転職しても変更申請は必要ありません。

高度専門職ビザの申請について

高度専門職ビザの申請は、活動に応じたベースとなるビザ(「技術・人文知識・国際業務」など)の必要書類に加え、ポイントを証明する書類が必要になります。

出入国在留管理庁『在留資格「高度専門職」(高度人材ポイント制)』

ポイントの計算については、こちらも参考にしてください。

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